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「自分の車はどこに?」、カーシェア会社が突然の破産連絡

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公開日付:2020.10.16

 複数の登録者がクルマを共同で利用する「カーシェアリング」。利用頻度にもよるがレンタカーより安く、駐車場代や車検など自動車のオーナーに掛かる手間と費用を抑えられるメリットが支持を集めている。なかでも駐車場が高い都心部では、ニーズが広がり新規参入も相次いでいる。
 ところが10月上旬、複数の関連会社を持つカーシェア会社(グループ)が突然、関係先に「破産手続きに入る」と通知し、波紋を広げている。投資家(オーナー)が購入した車両を預かり、マッチングアプリなどを通じ、利用者に貸し出していた。
 ブームの「カーシェア」で何が起きているのか。東京商工リサーチ(TSR)情報部が取材した。


 投資していた男性会社員がTSRの取材に応じた。今年3月、カーシェアに使用する中古の外国車と国産高級車の2台のオートローンを契約したと語った。車両の取得費用は、保険料金を含め2台で約1,000万円。購入後、手元にはカーシェア会社と交わした契約書とオートローンの申込書、自動車保険の証券3点が残った。契約した実車は、今回の騒動まで一度も目にしていなかったという。
 男性はカーシェア会社が斡旋した車を購入し、その翌月に1台当たり50万円のキャッシュバックを受けた。カーシェア会社からは、毎月のローンと保険代金に相当する金額が振り込まれ、1台当たり1万円ほどの配当金も支払われた。契約終了時に100万円も受け取れる契約だったという。

支払い遅延と突然の破産の連絡

 契約から7月まで、約定通りに男性の口座に入金された。だが、8月23日、突然「資金繰りが厳しいため、今月の支払い分を9月に2カ月分支払わせてほしい」と要請があった。そして、9月も支払いが困難との連絡があった後、10月8日、同社から「現在の事業を継続することは困難で、破産手続きを含めた法的手続きに入る」とメールが届いたという。
 このメールが届いた直後から、全国のオーナーがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のグループを形成した。グループのメンバーによると、同社のサービスを利用した投資家は全国で少なくとも「600名にのぼる」とみている。カーシェア会社に委託した車両は手元になく、SNSには心配するオーナーからの声が相次いでいる。

カーシェアリング

‌車両が並ぶ駐車場(首都圏某所)

オーナーから預かった240台の車両を発見

TSR情報部は、カーシェア会社がオーナーから預かった車両が置かれた首都圏の駐車場を突き止めた。駐車場には約240台の高級車が隙間なく並んでいる。確認できる限り、すべての車両にはナンバーが付いている。関係者によると、その近くにさらに数十台も駐車しているという。
だが、存在が確認できていない車両もある。先の男性は2台契約した車両のうち、1台は関西で所在を確認できたが、もう1台はいまもわからないと憤る。

「自分に責任もあるが、早く説明してほしい」

 車両の行方に投資家らが不安を募らせるなか、15日、同社から男性のもとにSMSを通じて連絡があった。メールには、「弊社は現在、破産手続などの法的整理に向けて、弁護士にも相談をしながら準備を行っております」(原文ママ)と記載されていた。
 男性は「契約内容や、車の所有などを確認せずに投資をした自分に責任があるのは、もちろん承知している」としたうえで、「法的整理をすると言っても、会社から届くメールには具体的な決定事項が何も記されていない。今後のローンの支払いや車両のことなど、一刻も早く説明してもらいたい」と訴える。


 TSR情報部は関係先に取材を進めているが、カーシェア会社の代表とは連絡がつかない状況が続いている。カーシェア会社の取引先も、同社と連絡が取れないと語る。取引先は、10月上旬に従業員の解雇をカーシェア会社から聞いたと話すが、実態は不明なままだ。
 オーナーから車を預かったまま連絡を絶ったカーシェア会社のホームページは、いまも事業停止などの状況は書かれていない。
 TSRでは引き続き、動向を注視していく。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」10月19日号に掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

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